電験三種基礎 三相交流回路問題

過去10年分よりの三相回路問題7選、このジャンルは10点の
B問題で出題されるのでぜひ取得しておきたいです。三相と
言っても回路計算時は1相だけで考えたら解けるケースが
ほとんどでかかる電圧だけ注意すれば単相交流の問題と大差
ありません。
単相交流回路の基本計算ができるなら少し勉強
すれば大丈夫です。このページだけで過去10年分の三相回路
問題対策は完璧です。

ご存じでしょうがこれが三相交流の基本特製、必ず暗記。
三相交流は3個の位相が120度(2π/3)ずれる単相交流の
集まりです、スター結線ではVL=√3VP、IL=IP、デルタ
結線ではVL=VP、IL=√3IPは絶対に暗記してください。
すべての電源を位相も考慮して加算すると0となります。
相電力の3倍が回路全体の電力になる点には注意の事。
線路に流れる電流を線電流、相に流れる電圧を相電流
以下電圧は線間電圧、相電圧と言いますがスター結線
では相電圧が線間電圧の√3分の1になるのは注意!
三相交流の基本特性

デルタ結線では相電圧=線間電圧、スター結線では線間電圧÷√3
が相電圧である点、1相分で求めた電力の3倍が回路全体電力です。
この問題は力率改善問題ではないのでインピーダンスR+jXはすぐ
大きさに変換して200/√3を割り電流を求めるだけでいいのです。

各値(√2.√3.π.30度.45度.60度の三角計の三辺の比率)は
暗記しておいてください。関数電卓が使えないので試験は
それらの角度のどれかが使った問題が出題されます。出題
で多いのが60度のπ/3radです。平方根やπは途中式では
そのまま、一番最後に数値化する
のがスマート計算の秘訣。
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H24年度電験三種_理論問16

上の計算の流れは単相交流の計算でも同じなのでここは理解
してほしい。電験三種の計算は簡単な事でも私は複素数計算
する様にしています。電気を理解するにはここだけは避ける
事ができないのです。
1相で考えればいいのでまず線電流を
求める、大きさと位相を求める、電源のデルタから見て線電
流はπ/6進む、逆に言えば線電流より電源の相電流はπ/6遅
れるだからπ/6遅らすとπ/3遅れるとなる、又相電流は線電
流の√3分の1なので最終的にはこうなります。前述した様
に30.45.60°の三角形の各辺の比を知ってれば√3が見えた
瞬間に位相角は30°か60°と検討がつく様でないといけない。
a+jbとわかればtanで計算した方が位相や力率に関する問題
は解きやすい場合が多いと思います。ちなみにこの回路の力
率Cosは30°の三角形だから瞬時に√3/2とわかります。
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H23年度電験三種_理論問15
まずインピーダンスのスターデルタ変換の公式を知らないと
時間内には解けないでしょう。静電容量をスターにしたら3
倍になる等価回路にするとこうなります。_Rと3C部分のイン
ピーダンスZ5として求めます。方法は並列回路のこれまでと
まったく同じです。最後にコイル分jωLを加算するとこの回
路全体のインピーダンスが求められます。力率が1だから虚
数部が0にならないといけません
だからωLと右横の文字式
は同じにします。
H23年度電験三種_理論問15
等価回路のコンデンサがある並列回路部分の電圧Vc1をまず
求めます。力率が1だから最初の問題で求めた回路インピ
ーダンスの実数部だけになります。それで回路電流Iを求め
ます。並列部分の電圧はオームの法則と同じだから電流Iと
最初の問題で求めた並列部分のインピーダンスの掛け算
になります。ただ実際はデルタ回路のコンデンサーの相電
圧、つまりは線間電圧ですから等価回路はスターです。
だからルート3倍にしないといけません。そのため最後に
Vc1をルート3倍しています。後は複素数a+Jbを絶対値に
すればいいだけです。
H23年度電験三種_理論問15
適当に回路を作り力率1にするωを求めた。電験三種で必要な
複素数の計算力ってたぶんこの程度だと思います。60点合格の
ためにはこのレベルまでは繰り返し紙に書いて練習してほしい
です。_初心者でもわかるHOW-TOなる何か?_頭で理解でき
ても実際の計算ができるかは、紙に書いて練習しかないです。
私は相応の努力を貴方には求めます。努力なしで目的に導け
る他人はいないし、自らも絶対にスキルアップできません。
H23年度電験三種_理論問15

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この回路の総合力率はいくらか

電流の複素数式、ここから力率を求めます、この問題はtanθから直接
公式でCosθを求めた方が楽です。
公式が合ってる証拠に力率Cos0.5
のtan値は√3ですが、tan値から公式で力率Cosを求めると0.5になる。
tanθから直接Cosθを求める公式は暗記する事をお勧めします。
(複素数式の虚数部を実数部で割るとtan値)

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H29年度電験三種_理論問16
単相交流の力率計算と何ら変わらないです。ただ有効電力算出では
相電流を二乗してRに掛けたら三相なので3倍する必要があります。
又は3個相があるからがより正確な言い方ですね。_もちろん三相
有効電力Pはルート3×線間電圧×電流×力率でも求められます。
P=1.732×200×22.04×0.95≒7253W...あれ微妙に少し違う?
これはいろんな算出で無理数の答えを四捨五入とかで端数を切り捨
てているため、微妙に一致しないのです。
H29年度電験三種_理論問16
できるだけ誤差を最小限に計算したらこんな感じでしょうか?
V=200V、R=5ΩもJUSTですがインピーダンスは上の式を見て
わかる様に完璧なJUST値ではないのです、まったく誤差のない
値は無理、電験三種試験もそこまでは要求していません。
H29年度電験三種_理論問16
I1がRLのスター結線の線電流、相電圧で算出してるため200Vをルート3
で割ります、ICPはデルタコンデンサーの相電流、線電流のI2はデルタ
結線だからICPをルート3倍しました、
H29年度電験三種_理論問16
I1とI2を加算した複素数式を作り、虚数部が0になる条件からCを求め
ています、この辺は普通の単相交流での計算と何ら変わる事はありま
せん。_三相はデルタでは線間電圧=相電圧、線電流=ルート3×相電流
スターでは線電流=相電流、線間電圧=ルート3×相電圧の関係があり
こうした力率計算にも影響する点は注意が必要です。_三相回路での
力率改善問題はB問題で出題される事が多い様に思います。
H29年度電験三種_理論問16
接続したコンデンサーがデルタ結線ではなく、スター結線ですとCの
値が下の様に違ってきます、結線が異なるとコンデンサーに流入する
電流が異なるためこうした違いが発生するのです。
H29年度電験三種_理論問16
三相交流回路計算ではこれを知らないと解けない問題が時々出ます。
必ず暗記されてください⇒デルタをスターに変換するとインピーダ
ンスは1/3になります。
逆なら3倍になります!

こういう問題ではデルタ部分をまずはスター変換できないと解答不能
に至ります。デルタ(12+j9)を3で割ってスター(4+j3)となりました。

有効電力と無効電力の両方を求める場合はインピーダンスと電圧
がわかっていれば一度に求める事は可能です。電圧を二乗して
インピーダンスで割リ算をします。


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R1年度電験三種_理論問16
スター接続のため電圧200Vをルート3で割る事を忘れない事
後は並列の単相交流回路の電流を求めます。IR.IL.ICを加算
して大きさに変換した物が回路電流です。
R1年度電験三種_理論問16
有効電力ですからRの消費電力の事、三相なので3倍!
400÷3をするのでなく、×相手に3がいるからそこで3/3と
すれば1となりこの計算は暗算で終わりです。分数計算は
互いに約分できる相手を常に意識しましょう。
数値計算だけ
ではなく文字式計算においても間違いを減らすための習慣です。
R1年度電験三種_理論問16

では最後にチャレンジ問題です、頑張ってみてね。
ここまでできれば電験三種の三相交流計算問題は大丈夫です。

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