

電験三種を始めたばかりの方はこの記事の後は右基礎
ページからです。
今日から私のBlogを見てくれた方のために電験三種基礎
習得に必要な電験三種用数学アウトラインを紹介します。
電験三種は電卓が使用できると言ってもほとんど手計算
でないと答えが導けない、又合格率10%平均を狙うわけ
で事前準備してからでないと失敗してしまいます。電験
三種は分数.指数.三角関数を軸にベクトル、複素数など
の基礎的操作を必要とします、当時私もでしたが凡人は
三種本学習の前に電験三種数学の勉強が先に必要です。
1.分数は電気計算の基礎
まずは電気計算の基本、直流回路の計算でよく使用するの
が分数と指数計算です。ところで三角関数は高校で習い
ますが、三種の数学を勉強するのは学生時代を復習すると
いう意味でもあります。ただ使うのはごく一部ですから貴
方が学んだ数学全部を復習するわけではないので安心して
ください。そうまったく新しい事を勉強するわけではない
のです。下計算も今日の記事を半分読まれたらできます。
小6レベルではありますが以下分数計算ができるのか確認
してください。通分.約分、a÷b=a×1/b、0÷a=0ですが
何かを0で割ると無限大∞になるので計算ができなくなる。
なんとなく思いだされたと思います。頑張りましょう。
ぜひクリック支援願います。

2.指数計算で大きい、小さい数が計算できる
静電や電磁気計算ではとても小さな単位を扱う事が多いた
め指数計算は必須です。静電容量は10のマイナス6乗のμF
とか時には10のマイナス12乗のpFの計算が必要な場合もあ
ります。関数電卓であれば余裕ですが電験三種試験では関
数電卓は禁止、小学生用電卓でそうした計算をするとなる
と電卓頼りでは解答が求められない、できてもキーミス
の可能性がとても高くなります。
電磁気計算ではこんな分数型に100%なりますが電卓のみ
でして四捨五入値で1100にできますか?電卓も必要です
が指数計算を軸にしなないとたぶん間違える!下の計算
で√50000を電卓でして223にしてはいけません。そうい
のが計算間違いになる事が多い。数字の部分はなるべく
小さくして1か所に集めてする、1万とか10万、0.001
とか単位に関係する部分を指数計算するのがコツです。
又分数が大きく絡むのもわかると思います。尚指数計算
ではルート計算は1/2乗、10の6乗なら10の3乗になる。
ただ関数電卓が使えないため2.5乗とか無理なので10の
奇数乗の場合は10を掛けて偶数乗にします。√5000なら
5000は5×10の3乗⇒10×5×10の2乗で処理できます。
前述した内容を理解されたら以下、計算の流れがわかると
思います。πは一番最後に3.14として扱います。マーク
シート試験なので3計算でも選択すべき値はわかります。
10/2なら5にして構いません、完全な=です。ところが5/7
は0.71428...でこれを0.7にしてしまうとその0.7を使う
たびに正確な答えからどんどんずれてしまいます。そう
無理数になる分数はなるべく最後まで、つまり電気計算
は分数でするのが正確に行う秘訣です。電卓の乱用は真
値から外れる行為。理想は最終式のみで電卓は使用すべ
きです。
3.交流計算は三角形
交流回路計算で三角関数は必須です。でも電験三種で
使うのは限定的なので心配はいりません。交流回路の
諸量の関係は三角形になる物が多い、たとえば下で6A
は三角形の底辺で8Aは高さです。2個の電流総計は斜
辺となりピタゴラスの定理で求めると10Aです。直流
回路の様に+計算できない点が初めて電気計算に触
れる方にはわかり難いのです、ただそれを公式で丸
暗記する前になぜその式が成立するのかは三角形の
関係において算出されるためです。力率というのは
底辺を斜辺で割った値、この比率は三角関数で言え
ばCOSの事です。交流計算は三角形です。
交流計算が三角形のため三角関数の基本が必須です。
電験三種試験で扱うのは30°45°60°の三角形の3
個なのでこの3辺の比率は暗記してください。この
3個のsin.cos.tan値は知ってる前提で試験は出題
されます、ただ覚えてなくても3辺のどの比が各
sin.cos.tanなのか知ってれば簡単にわかります。
もう少し難しい三角関数定理も場合によっては必
要ですがそれは三種本勉強の時でいいです。試験
で30点程度しか取れない方は電気は三角形を理解
されてないのです、同じ失敗をしないためにも学
びの最初の段階で理解しておきましょう。電気工
事士の受験なら意味不明でも合格できますがより
深い検証を必要とする三種試験では、常に三角形
を意識して計算します、三角形の各辺が何に該当
するかを勉強するのが次の電気の勉強です。
4.暗記が必要な基本公式
理解も大切ですが試験では時間との勝負、当たり前
に使う公式はあの九九と同じ感覚で扱える様にして
おいてください。社会人になって使う事がなく忘れ
ている方も多いでしょうが、中学2年の数学はこう
いうのです。電気に限らず工業系の試験では共通に
必要な公式とも言えます。この中で特に係るのは
(a+b)(a-b)=aa-bbです。
ここまで学んだならこういう計算もできます。更に
√2、√3、√5の3個だけ覚えておけば素数以外
は電卓なしでもルート計算できます。公式をどう組
合せ計算するかにルールはなくその方が練習で得た
数のセンスとも言えます。なるべくスマートに計算
できれば理想ではあります。
5.二元一次方程式も思い出しておいてくださいね。未知数
が2個ある場合はこの方法が必要になります。
二次方程式の解の公式が急に必要になる時があります。
数字のどこが対応するのか確認しておきましょう。
6.数ではなく視覚的に表現する方法
電位Vの様に単に大きさを表す物をスカラー、大きさ
と方向を表す物をベクトルと言います、電流の流れ方
⇒簡単に言えば抵抗の場合は電圧と同方向、コンデ
ンサーは90度上向き、コイルは90度下向きに流れます。
初めての方には意味がわからないのは当然ですが電気
の世界では状態を視覚化するためにベクトルを使うと
今は理解できれば十分です。ちなみに直流は電圧と電
流は常に同方向、だから単純に加減計算ができます。
交流では電圧と向きの異なる2個の電流は加減できず
前述した三角形の関係やベクトル上で大きさと向きを
考慮して計算します。極端に言えば右向きの5Aと左向
き5Aは加算すると0Aになる、同じ向きなら10A、日常
思考では扱わない方向性も考慮した加減なのです。

図Aの様にコンデンサーとコイルの電流を同時に流すと
前述した関係から互いに電流の向きは逆なのでその差
であるa-bが回路電流として流れます、これから力率
改善という言葉が出てきますがこのICとILを同一に
する事を意味します、図Bは三相交流の電圧ですが3
個の電圧は互いに120度向きが異なると今は思ってく
ださい、図Cは2個のベクトルを合成した場合ですが
90度上又は90度下向きの成分にはjという記号をつけ
て表現します、完全に直角三角形ですから合成電流
Iの大きさははピタゴラスの定理により、あの様な式
となるのです。_向きではなく正確には位相と言うべ
きですが今はそれで構いません。

図AですがIL>ICのため合成電流Iのベクトルは下向き
ですがこの状態を遅れ力率といいます、逆にIL<ICで
はIのベクトルの向きは上向きになりこの状態を進み
力率と言います。_図CでIb=10A.Ia=12Aとした時Ib-Ia
は方向が異なるのでできないのです、Ibが加減できる
相手はIbと同じ上向きか180度反対の下向き成分だけ
です。
7.交流RLC回路解析には複素数計算が必須
抵抗10Ω.コイル10Ω.コンデンサ5Ωの電気素子があった場合
抵抗はそのまま、コイルはj10、コンデンサーは-j5とjの記号
をつけます。総合抵抗(インピーダンス)は10+j10-j5=10+j5で
す。_性質の違う物がjという記号をつけて計算する事で回路
計算できる様になります。力率1にするとはjの差し式で0に
する事です。後コイルはL(ヘンリー).コンデンサではC(ファ
ラッド)という値で与えられる時もあります。電気抵抗量に
変換するにはコイルは2×π×周波数×L、コンデンサは
1/(2×π×周波数×C)にするとΩという単位の電気抵抗量
に換算できます。LをインダクタンスCを静電容量、XLやXCは
リアクタンスでΩに変換した後のコイルやコンデンサーの値
Zはインピーダンスでそれらすべてを総括した物です。電気
工事士試験ではなかったjとは電験三種では大きさだけでな
く位相も同時に計算処理するためです。

今は細かい事は抜きにしてたとえばAという三角形で表現
できる電気と同じくBで表現できる電気があったとします。
この加算した電気Cの大きさを求めるとしたらベクトル和
をして0Cの長さを求めるのは結構面倒な計算が必要です。
これを底辺は底辺、高さは高さ同士で加算すれば簡単に
計算できます、Y軸の高さ成分にjをつけます。jを二乗
したらなぜー1になるかは丸暗記でいいです。ベクトル
は視覚的に理解する上では便利なのですが値を検証した
りするには計算上手間な事が多い、そういう点で交流回
路計算では複素数計算が欠かせません。交流電流で
5+j7(A)とか暗号?、jとはこういう意味です。
電験三種合格には以上で述べた7項目の基本計算ができる必要
があります。ただ電験三種学習を始める前の数学学習において
はなぜその式が成立するかは関係ありません、そこにある式の
流れを数学的に理解できるかが重要です、又0.3を二乗して4×
10のマイナス3乗を割るのを関数電卓でない小学生電卓でする
方が難しいです。電験三種での電卓の目的は最後に式を数値化
する時しか使いどころはないです。ですからこの資格試験は
紙の上にて手計算で答えを見つける試験です。
下は実際の試験問題を解いたプロセスです。数学を勉強されて
も集中力が切れると誰でも間違えます。又計算を正確に間違え
ないで行う秘訣は暗算で可能な事でも紙の上にすべて書いて計
算する事です。少しの油断でも間違いは発生、計算行が下に移
行した時に1と7を書き間違えるとか私だって平気で発生する。
手計算はだけは練習して慣れるしかありません。これが電験
三種に合格するための真実です。
今の時代に紙に書いて手計算する事は日常ではほぼ皆無
仕事で必要な計算もエクセルシートにして式を事前に入
れておいて入力さえすれば答えが自動算出される様にし
ます。そういう状況において紙の上に書いて何かを計算
するという超マニアツクな試験とも言えます、たぶん
電験三種の計算が難しいというのは必要な計算HOW-TO
を知らないだけでなく手計算がスムーズにできないと
いう点も大きいです。慣れるまでは苦痛かもしれませ
んが頑張ってください。それだけはどんな良書も先生
も貴方を助ける事はできないのです。私も当時勉強し
た時は電卓を極力使わない計算を毎日練習しました。
関数電卓が使えるというなら話も変わってきますが
2021年度試験においてそうなる事はありません。