電験三種過去問学習の前に扱うための道具・つまり数学基礎
復習からです。今の自分の現状をよく分析して必要な準備を
してください。
1.分数は電気計算の基礎です。
まずは電気計算の基本、直流回路の計算でよく使用するの
が分数と指数計算です。ところで三角関数は高校で習い
ますが、三種の数学を勉強するのは学生時代を復習すると
いう意味でもあります。ただ使うのはごく一部ですから貴
方が学んだ数学全部を復習するわけではないので安心して
ください。まったく新しい事を勉強するわけではない。
数学力として中3レベルあれば電験三種は大丈夫です。
同時に今忘れてるならそこまで達する自己努力はされて
ください。何も考えなくてもそこまで導いてくれる何かは
存在しない 、そんな物を探す無駄な時間があるなら目の
前の1問を習得する努力が必要なんです。今後電気主任の
お仕事に就かれてもその姿勢は常に求められます。
中3で数学が好きな子でしたら電気の意味は不明でも
以下計算を機械的に解きます。だから学生で電験三種
に合格できる人がいるのです。逆に言えば誰にでも
電験三種に合格できる可能性はあると言う事ですね。
計算力とは紙の上で解ける能力でいくら高度な数学
を知っていても扱えないなら数学力があるとは言え
ません。紙の上で貴方も書いて練習されてください。
数学力は目で見て頭で理解しただけではダメです。
私や貴方は見て理解しただけで計算ができるほど賢
くない現実をまず受け入れてください。
小6レベルではありますが以下分数計算ができるのか確認
してください。通分.約分、a÷b=a×1/b、0÷a=0ですが
何かを0で割ると無限大∞になるので計算ができなくなる。
なんとなく思いだされたと思います。頑張りましょう。
分数の加減は分母を同じにする(通分)、分母と分子を共通
で割れる物で割り算して値を見かけ小さくするのが約分。
分数の割り算はA÷B=A×1/Bになる、三種計算ではその形
にして計算します。重要な基本なので確実に確認の事。
2.指数計算で大きい、小さい数が計算できる
静電や電磁気計算ではとても小さな単位を扱う事が多いた
め指数計算は必須です。静電容量は10のマイナス6乗のμF
とか時には10のマイナス12乗のpFの計算が必要な場合もあ
ります。関数電卓であれば余裕ですが電験三種試験では関
数電卓は禁止、小学生用電卓でそうした計算をするとなる
と電卓頼りでは解答が求められない、できてもキーミス
の可能性がとても高くなります。指数計算の計算ルール
は法則として丸暗記で構いません。
静電容量を扱う計算では小さな値を扱うため指数計算
でした方が確実で簡単にできます。分数と指数計算は
電験三種すべての科目の計算問題には必須です。まず
この2個ができないとその後の学習は続きません。
最後、値を算出するに10のー6乗とー3乗の掛け算です。
関数電卓でするか指数計算による手計算しかありません。
三種試験は唯一ルート計算だけは可能、これは指数計算
で言うと1/2乗という意味、式が1/2乗以外の状態になる
と試験では計算できないので下1.6×10のー9乗をあえて
0.16×10のー8乗にしているのです。ルート内で奇数乗
にすると関数電卓がないと値が求められないので注意
してください。三種の指数計算ではその位です。
6.25のルートは10の-2乗を掛けたら625、末数字が
25単位になってる数は必ず綺麗に展開できます。
100の中には25は4個、625なら25個と暗算でわかる。
ルートだけは三種試験で使えるので試験は電卓で
いいけど計算力を上げる練習ではこういう何でも
ない数とお友達になれたら数字に興味が持てます。
どうせするなら苦手意識より数と友達になろう!
電験三種で算数・数学を使うのは未知数を求めるため
未知数だけを最終的に片辺にする式変形をします。
辺の移動、左右辺に同じ数を×÷が式変形の基本。
辺の移動で符号反転、左辺5を右辺に移動させたら-5
0以外は両辺にどんな数や文字式を乗除しても問題あ
りません。つまり左辺と右辺の総量を常に同じにす
るという事。公式A/B=C/DはAD=BCでもあるは覚え
ておくと役に立つ事が多いです。
下の問題は□=0.15ですが貴方も解いてみてください。
□はXにして扱えばいいです。思うより最初は難しい
前述した内容を理解されたら以下、計算の流れがわかると
思います。πは一番最後に3.14として扱います。マーク
シート試験なので3計算でも選択すべき値はわかります。
10/2なら5にして構いません、完全な=です。ところが5/7
は0.71428...でこれを0.7にしてしまうとその0.7を使う
たびに正確な答えからどんどんずれてしまいます。そう
無理数になる分数はなるべく最後まで、つまり電気計算
は分数でするのが正確に行う秘訣です。電卓の乱用は真
値から外れる行為。理想は最終式のみで電卓は使用すべ
きです。Rは最後にφ計算で使うのでなるべく崩さない
φの構成要素と掛け合せる=正確に計算するために私は
こう計算しました。いろんな計算を練習したら式を見
ただけで自然にそういうのがわかってきます。誰かや
何かで習ったわけではなくてできればスマートに計算
したいと常に意識して練習しました。汚い計算後は
間違えるし、正解してもその先が上達しないです。
たとえばRを直に計算して2985668状態で扱うと絶対に
間違えそうですし逆に難しいと思いませんか?
3.交流計算は三角形
交流回路計算で三角関数は必須です。でも電験三種で
使うのは限定的なので心配はいりません。交流回路の
諸量の関係は三角形になる物が多い、たとえば下で6A
は三角形の底辺で8Aは高さです。2個の電流総計は斜
辺となりピタゴラスの定理で求めると10Aです。直流
回路の様に+計算できない点が初めて電気計算に触
れる方にはわかり難いのです、ただそれを公式で丸
暗記する前になぜその式が成立するのかは三角形の
関係において算出されるためです。力率というのは
底辺を斜辺で割った値、この比率は三角関数で言え
ばCOSの事です。交流計算は三角形です。
交流計算が三角形のため三角関数の基本が必須です。
電験三種試験で扱うのは30°45°60°の三角形の3
個なのでこの3辺の比率は暗記してください。この
3個のsin.cos.tan値は知ってる前提で試験は出題
されます、ただ覚えてなくても3辺のどの比が各
sin.cos.tanなのか知ってれば簡単にわかります。
もう少し難しい三角関数定理も場合によっては必
要ですがそれは三種本勉強の時でいいです。試験
で30点程度しか取れない方は電気は三角形を理解
されてないのです、同じ失敗をしないためにも学
びの最初の段階で理解しておきましょう。電気工
事士の受験なら意味不明でも合格できますがより
深い検証を必要とする三種試験では、常に三角形
を意識して計算します、三角形の各辺が何に該当
するかを勉強するのが次の電気の勉強です。
4.暗記が必要な基本公式
理解も大切ですが試験では時間との勝負、当たり前
に使う公式はあの九九と同じ感覚で扱える様にして
おいてください。社会人になって使う事がなく忘れ
ている方も多いでしょうが、中学2年の数学はこう
いうのです。電気に限らず工業系の試験では共通に
必要な公式とも言えます。この中で特に係るのは
(a+b)(a-b)=aa-bbです。
ここまで学んだならこういう計算もできます。更に√2
√3、√5の3個だけ覚えておけば素数以外は電卓なし
でもルート計算できます。√6は√2×√3でいけます。
√8、√10はおわかりですね、√7はなぜか電験三種で
は必要になった記憶がない、でもそれも覚えたら完璧。
5.二元一次方程式も思い出しておいてくださいね。未知数
が2個ある場合はこの方法が必要になります。
二次方程式の解の公式が急に必要になる時があります。
数字のどこが対応するのか確認しておきましょう。
裏技としてRR+4R-32=0まで到達したら解答選択肢を見て
条件を満たす答えを探してもいいです。答えが5番だと
時間がかかるのが難点です。ただ計算問題の25%は解答
選択肢から逆算して計算した方が簡単に解けます。どうし
ても解くための式が作れない時は解答選択肢の条件をす
べて使い回路計算をしてみるというのも覚えておいてく
ださい。★50点ギリしか解けない時に明暗を分けます。
マークシート試験だからこそ可能な裏技です。
★二元一次方程式と解の公式を把握できたならば確認の
意味でこんな問題を計算されてみてください。
問題:X>Y、X+Y=10、XY=10を満たすXとYを求めなさい。
答えはX=5+√15、Y=5-√15です。この問題が計算できるな
ら三種試験での二元一次方程式と解の公式の理解は十分。
6.数ではなく視覚的に表現する方法
電位Vの様に単に大きさを表す物をスカラー、大きさ
と方向を表す物をベクトルと言います、電流の流れ方
⇒簡単に言えば抵抗の場合は電圧と同方向、コンデ
ンサーは90度上向き、コイルは90度下向きに流れます。
初めての方には意味がわからないのは当然ですが電気
の世界では状態を視覚化するためにベクトルを使うと
今は理解できれば十分です。ちなみに直流は電圧と電
流は常に同方向、だから単純に加減計算ができます。
交流では電圧と向きの異なる2個の電流は加減できず
前述した三角形の関係やベクトル上で大きさと向きを
考慮して計算します。極端に言えば右向きの5Aと左向
き5Aは加算すると0Aになる、同じ向きなら10A、日常
思考では扱わない方向性も考慮した加減なのです。
図Aの様にコンデンサーとコイルの電流を同時に流すと
前述した関係から互いに電流の向きは逆なのでその差
であるa-bが回路電流として流れます、これから力率
改善という言葉が出てきますがこのICとILを同一に
する事を意味します、図Bは三相交流の電圧ですが3
個の電圧は互いに120度向きが異なると今は思ってく
ださい、図Cは2個のベクトルを合成した場合ですが
90度上又は90度下向きの成分にはjという記号をつけ
て表現します、完全に直角三角形ですから合成電流
Iの大きさははピタゴラスの定理により、あの様な式
となるのです。_向きではなく正確には位相と言うべ
きですが今はそれで構いません。
図AですがIL>ICのため合成電流Iのベクトルは下向き
ですがこの状態を遅れ力率といいます、逆にIL<ICで
はIのベクトルの向きは上向きになりこの状態を進み
力率と言います。_図CでIb=10A.Ia=12Aとした時Ib-Ia
は方向が異なるのでできないのです、Ibが加減できる
相手はIbと同じ上向きか180度反対の下向き成分だけ
です。
7.交流RLC回路解析には複素数計算が必須
抵抗10Ω.コイル10Ω.コンデンサ5Ωの電気素子があった場合
抵抗はそのまま、コイルはj10、コンデンサーは-j5とjの記号
をつけます。総合抵抗(インピーダンス)は10+j10-j5=10+j5で
す。_性質の違う物がjという記号をつけて計算する事で回路
計算できる様になります。力率1にするとはjの差し式で0に
する事です。後コイルはL(ヘンリー).コンデンサではC(ファ
ラッド)という値で与えられる時もあります。電気抵抗量に
変換するにはコイルは2×π×周波数×L、コンデンサは
1/(2×π×周波数×C)にするとΩという単位の電気抵抗量
に換算できます。LをインダクタンスCを静電容量、XLやXCは
リアクタンスでΩに変換した後のコイルやコンデンサーの値
Zはインピーダンスでそれらすべてを総括した物です。電気
工事士試験ではなかったjとは電験三種では大きさだけでな
く位相も同時に計算処理するためです。
今は細かい事は抜きにしてたとえばAという三角形で表現
できる電気と同じくBで表現できる電気があったとします。
この加算した電気Cの大きさを求めるとしたらベクトル和
をして0Cの長さを求めるのは結構面倒な計算が必要です。
これを底辺は底辺、高さは高さ同士で加算すれば簡単に
計算できます、Y軸の高さ成分にjをつけます。jを二乗
したらなぜー1になるかは丸暗記でいいです。ベクトル
は視覚的に理解する上では便利なのですが値を検証した
りするには計算上手間な事が多い、そういう点で交流回
路計算では複素数計算が欠かせません。交流電流で
5+j7(A)とか暗号?、jとはこういう意味です。
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