電気を初めて勉強する方の立場になり電気計算入門を記事にし
ました、誰でも中学校の理科で簡単な抵抗計算や電気について
学んだ経験はありますが、今回は電気工事士試験問題を題材に
記事にしたので気楽に読んでくだされば幸いです。感じると思
いますが電気計算では分数は必須の計算テクニックです。そう
小6で学んだ算数こそが中学数学の基礎でありそれが電験三種
計算のほとんどで必要とも言えます。たぶん三種計算の流れに
抵抗を感じるのは分数の計算力が不足しているからです。電卓
が使えるからと申しましても、関数電卓ではないのですから
十分な手計算の練習は欠かせないです。以下は私の記事解説
式途中の分数部分をいくつか紹介しますが、電験三種計算
にはこの程度の分数計算力は必要です。でもすべて中2で
数学の好きな子ならされるレベルです。まずは式の意味
はわからなくてもいいから、分数式の流れを再度復習し
ておきましょう。これらすべてA問題からです。
最低限今必要な計算テクニック、まず1番は小6算数
次に2は交流回路の勉強で初心者が最初に疑問に感じ
る分母のjの処理の流れ、(a+b)(a-b)とjj=-1という
性質を利用してjを分母から消す、変わり分子にも
分母に掛けたa-jbを掛ける必要がありますがこれは
交流回路の計算処理で頻繁に使い★最重要です。
今日の記事では2は使用しません。
オームの法則
Iが電流.単位はアンペアA、Vが電圧.単位はボルトV、Rが
抵抗.単位はオームΩです。すべての電気計算の基本式!
.合成抵抗の計算方法
直列と並列の式です、丸暗記してください。後RΩの抵抗を
N個並列に接続するとその合成抵抗は(R/N)Ωとなります。
たとえば6Ωを6個並列接続したら6÷6で1Ω
電気計算では必ず分数が発生します、整数になるなら整数
の方がいいですが2.6777とか無理数を2.7とかで計算継続
するなら、その分数のままで計算してください。計算が
上達するというのは電卓の使用を最小限にして練習する
事、試験で関数電卓が使えるなら話も違いますが、そう
ではないので三種ではあまり電卓はあてにしないでね。
以下第二種電気工事士問題です。
1.センターで短絡してるため右上5Ωは無関係なため
左回路の並列抵抗5÷2で2.5Ω_電気は短絡させると
すべての電流がそこに流れて、隣合う回路には流れ
なくなるのです。_電気抵抗というのは電流が流れる
経路にある抵抗の加算で、電流が流れない回路にあ
る抵抗値は無関係となります。
2.これ意外と電験三種勉強してる方でも???となる
かも、この回路の電流はオームの法則でI=V/Rより
I=(100+100)÷(40+60)=2Aの電流が流れる、b点の電圧
は電源電圧から40Ωにかかる電圧を引いた値ですから
Vb=200-(2×40)=120Vです。a点の電圧Va=100V。
Vab=100-120=-20Vです。試験では極性を問われてなく
20Vが正解です。_書き方としてVbaなら20Vです。
3.前述した様にRΩがN個並列なら合成抵抗はR÷N
これはとても便利なので必ず暗記してください。
左3Ωが3個並列は3÷3で1Ω、右は3÷2で1.5Ω
結局はトータルで1+1.5=2.5Ωです。
4.8Ωに1Aだからこの並列回路電圧は8×1で8V、上4+4Ω
に1A、下4Ωに2Aで計4Aが全体電流、この4Aが右4Ωに
流れるのでV=RIよりV=4×4=16Vです。計算方法のパタ
ーンを習得しましょう。
問6のSWを投入すると図の状態となる、右側50Ωに
は電流は流れない、つまりVabの電圧は開放電圧
説明図V1の電圧がVabです。_V1を電源とした場合
Vab=V1-IRですがIが0AなのでVab=V1となるのです。
意外と開放電圧について気がついてない方います。
問8は問2と同じ、11では電力の問題、電力Pとした
場合P=VI=Iの二乗×R、抵抗値が判明してる回路
電力と全体電力の差がRの電力値となります。
Pの単位はおなじみのワットWです。
P=VI=RI×I=V×(V/R)とオームの法則で変形して
その問題に一番便利な方法で電力式を使います。
こういう回路の合成抵抗は電源から一番遠い側から
計算するのがコツです。_式にすると難しく見える
かもしれませんが、同じ抵抗の合成抵抗式R/Nで計
算してるだけです。
交流回路の計算
電験三種と同じ様にベクトル的に考えて計算する
点は同じなのです。これを読んでる方は電験三種
を勉強されてる方なので今更ですが再度これら基
本を意識しましょう。
直流を加えた場合、コンデンサーでは∞、コイル
では0Ω、ですが交流ですとコイル、コンデンサ
ーも適当な電気抵抗を持ちます。コイルの交流
抵抗を誘導性リアクタンスXL、コンデンサーの
それは容量性リアクタンスXCと言い単位はΩ。
リアクタンスにできたら電流とか算出できます。
インピーダンスZは回路内の抵抗Rとリアクタン
スXLの総計みたいな存在と思ってください。
角速度ω=2πf、XL=ωL、XC=1/ωCは暗記の事!
インダクタンスLはXLを計算するための定数で
キャパシタンスCはXCを計算するための定数
交流ではまずこれらの言葉に慣れてください。
抵抗R値、Rの電圧は三角形の底辺、リアクタンス
XLやXC値、それらの電圧は三角形の高さです。
三角形の斜辺が電源電圧やインピーダンスZに該
当します。底辺値÷斜辺値が力率です。_これは
三角形ではcosの値なので力率はcosθで表現さ
れるのです。_そうなるとピタゴラスの定理上
でしか計算が成立しないためにそれらを求める
のに√や二乗計算が必要となる事があります。
電圧と電流で力率を求める問題、又は電源電圧と
抵抗電圧だけ数値を与えてコイル間の電圧を問う
問題とかほぼ毎年出題されます。交流回路の三角
形の関係さえ理解してればどれも解けます。
3番は少し前の電験三種ならA問題で出題されてる
様な問題ですね。コイルやコンデンサーのリアク
タンスは周波数の影響を受けますが抵抗Rは影響
を受けません。この問題ではインダクタンスLが
不明なのでそれを知ればXL=ωl=2πfLで算出可能。
これがコンデンサーならCの値をまず求める必要
がありますが、考え方はまったく同じです。
4番はついでに力率も求めました、この様に交流
回路ではこの三角形を書いて考えてください。
5番はリアクトルにかかる電圧が与えられてない
ため単純に回路電流を求めて抵抗Rに掛けました。
電圧や電流以外、電力でもこの三角形は成立します。
皮相電力Sが斜辺、有効電力Pが底辺、無効電力Qが
高さ、又S=VI.P=VIcosθは暗記しておきましょう。
そこから力率cos=VI÷P=S÷Pでも構いません。
交流電圧、電流の波形です、私達が扱う電圧は
実効値といい波の頂点最大値Vmaxを√2で割った
値の事。_電気工事士試験でよく問われる範囲
の一つです。Vmeanは平均値_ちなみに60Hzとは
この波が1秒間に60回、周波数fの逆数が周期T
コイルとコンデンサーでは電圧に対して電流の
流れ方のタイミングが逆なので、各リアクタン
スが同じならIC=ILから差し引き0です。残りは
回路にある抵抗成分による電流のみとなります。
力率改善する事により仕事に使われない電流成
分が電源側から見たら減少します。_?なんだか
意味ありげな言い方。もう少し説明します。
電流の流れるタイミングが逆なので電源側から見
れば打消し合ってる様ですが、実は各コイルや
コンデンサーに流れてる電流は何ら変化していな
いのです。初めて聞く方には不思議な現象かもし
れませんが、電気というのは違う例では同じ200V
の電源でも位相という物が異なると200V-200Vが
200Vになったりする奥の深い世界なのです。
ただ電験三種合格者でも実は気がついてない方
がいる程なのでこれは聞き流しても構いません。
RL又はRC直列回路の力率は各抵抗、コイル、コ
ンデンサーの電圧値により作られる三角形で計
算できます、並列回路なら電流値による三角形
で同じく計算できます。
電線の電気抵抗計算
寸法がm単位でないcmやmmではmに変換して計算が必要
ただ単純に値の大きさ比較で同じmm同士とかなら寸法
の倍率のみ入れても計算は可能です。
断面積A=(π×直径の二乗)÷4、問2は直径がmm単位
なので10のマイナス3乗をかけてm単位にしています。
電気抵抗の算出をする場合はサイズ、長さはすべて
m単位でないといけません。_直径ではなく断面積で
計算する場合㎡ならそのままいけますがm㎡なら10
のマイナス6乗、c㎡なら10のマイナス4乗を掛けます。
電験三種に合格するのはこういう計算を食事と同じ
感覚でできる様にならないといけません、ただここで
使う分数も小6分数と基本はまったく同じなんです。
材質が同じなら直径が倍になると抵抗は1/4になる!
サイズ変化による抵抗変化は計算できるけど抵抗率
が不明だと抵抗値はわかりません。
★⇒電験三種基礎最新記事へ
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