このたび実務ブログにあった電験三種の部分を分けました。
電験三種過去問題をするにしても基礎的な事が理解できて
ないと物事は順調にはできません。そこで基礎的な事につい
ての最初のPART1です。できるだけ途中式を省略さずに解説
しましたのでよければ参考にされてください。私コーヒーが
好きなのですがまず、貴方もお好きな飲み物を飲まれて気楽
に勉強しましょう。_基礎Courseは60まであり今回は15まで
説明しました。
1.合成抵抗の計算方法
直列と並列の式です、丸暗記してください。後RΩの抵抗を
N個並列に接続するとその合成抵抗は(R/N)Ωとなります。
たとえば6Ωを6個並列接続したら6÷6で1Ωです、これは
電験三種回路計算でも知っておくと役に立ちます。
分数なんてと軽視しないで必ず貴方も紙の上で計算されて
ください。後半で複素数計算になると難易度が高くなるの
で今きちんと分数を身につけておきましょう。
左は分数で解いた、右はあえて50をかけて最後に50で割った
だから結果に影響を与えない、たとえばB/A+D/Cの計算では
通分が必要です、そうではなくACを掛けるとあっと言う間
に分母が消せます、最後に出た値をACで割れば簡単に分数
計算ができます。
並列抵抗式はなぜか?電流式から逆算すればわかります。
3個ですと最後に分母、分子をR1R2R3で割れば皆さんが
参考書で見たあの式になります。_初めて電気参考書を
勉強した時に並列抵抗の式を見て"電気って難しい"と
思われた方もいるでしょう。でもこれがその意味です。
2.電気基礎特性
並列回路の合成抵抗R、そのR値を使い回路主電流、分岐回路の電流
I1とI2を求めました、オームの法則電流I=電圧V÷抵抗Rは中学生の
時に理解でも習った公式、更に電流は分流させると抵抗値に反比例
する、回路計算する上でこの性質は知っておく必要があります。
最終的に電圧Vはこの問題のEと同じになります。電圧の記号はEで
もVでも構いません。
電力P=電圧×電流I、その変形は2種類あるのは下記通り
計算に指数、分数を組合わせると誤差の少ない正確な
計算ができます、式途中で割切れない無理数を四捨五入
するのは綺麗ではありません。電力単位Wを千で割れば
KWの単位となります。_電力量は電力Pに使用した時間
を掛けた値、1時間なら1、30分なら0.5となります。
右の問題はこの回路に100Vを30分通電した時の4Ωの
抵抗の消費電力量です。_電気計算ではまず分数が絡み
ます、途中式では値をなるべく分割した状態で扱うと
次の計算で値をどんどん小さくでき構成がシンプルに
なり正確な計算ができます。電卓を使うのは最後に
20000を49で割る時だけです。
ヒータ負荷の場合、電力P(W)に使用した時間t秒を掛けたら熱量
1KWを1時間ですとH=1×3600=3600(KJ)、1(J)は0.238(cal)です
から3600×0.238=856.8(kcal)、これが1(KWH)=860(kcal)の意味。
水1(KL)を30℃温度を上げるにはH=比熱1(kcak/kg・℃)×1(KL)
×30(℃)=30(Kcal)の熱量が必要、これは30÷0.238=126(KJ)。
100(W)ヒーターならH=Ptから、126=0.1tからt=1260(秒)つまり
21分かかります。重要な考え方なので知っておいてください。
電流によって発生する熱をジュール熱と言います。(重用用語)
3.キルヒホッフの法則
上は変圧器回路です、2個の閉回路があります、この電流の向きとして
電流の向きが逆はマイナス要素として、電圧降下の総計から引くのが
この法則のルール、その値は電源電圧の総計と等しいのです。次に
下の回路では左の閉回路、E1とE2の電源方向は同じなのでE1+E2と
なり電圧降下の加算と一致させます、右閉回路はI2とI3が逆向き
なので差の状態で=E2として式を立てます。電流は立てた流れから
この様にしました、実は電流の方向は仮定で設定してもいいです。
ただ電圧降下の式はきちんとしてないといけません、もし自分の
設定した電流が実際の流れと反対ならマイナス表示されます。
この回路では左右の閉回路内の電流はすべて互いに加算する
方向なので電圧降下式はすべて+です。電流は何か計算した
事前根拠があってこの様にしたのではなく私の仮定です。
計算した結果はマイナスではないので実際の電流の向きと
一致してるという意味です。こういう問題ではそこの電流
の大きさや消費電力を求めるわけですから値の±の影響は
ありません。_第1法則はΣI=0、第2法則はΣIR=ΣEと教本
では表現されてる事が多いです、もしこの法則で電流を求
める場合、私はこういう感じで計算しています。
4.ミルマンの定理
共通端子電圧を求める方法です、そこの電圧さえわかれば
即解答できるのにと思う事はよくあります、そんな時に便
利でなぜこうなるかは必要ありません。_もし電源がない
場合はBの電圧の部分は0に、電源の向きがそこだけ逆なら
Aの部分をマイナスにして使います。これは後で述べる
テブナンの定理で回路電流を求める時に、開放電圧を知る
ために必要になるケースがあります。
開放電圧Vが判明、そこにRz(Ω)の抵抗を接続した時に
流れる電流はこの様に定義できます。これがテブナン
の定理です。_開放電圧はV0と表す事が多いです。
5.重ね合わせの定理
真ん中の10Ωの抵抗に流れる電流を求める問題、電源が
複数ある回路の電流を求める方法の一つです。
最初に80V電源がない60V電源の時に10Ωの抵抗に流れる
電流をI1求めます、電流の方向は右向きはわかります。
計算の結果は1/2Aでした、次に80V電源のみの時の左向
きの電流I2を求めると2/3Aでした。正規の両方の電源
がある時に10Ωの抵抗に流れる電流はI1とI2の差の1/6A
となります、I2>I1ですから電流の向きは左向きです。
複数電源がある場合は各電源が単独な状態での電流を求
めて、電流の向きを考慮して計算した値が複数電源時の
電流値です。電源が2個ですと単に電流差でいいのですが
もし3個以上ですとその言い方には問題があるのであえて
電流の向きを考えてと説明しました。
上問題をテブナンの定理で解いてみました。
10Ωの抵抗がない時の開放電圧Vab、電源をすべて短絡
させて10Ωの抵抗がない時のその点からの抵抗Rabを求
めます、_接続抵抗Rに流れる電流IはI=Vab÷(R+Rab)
電流の向きが一旦マイナスなのは設定した開放電圧の
向きが実際とは逆という意味です。
6.ブリッジ回路の平衡条件
簡単に言えば下の抵抗回路においてこの条件が成立する
時は上下回路の真ん中の電位は同じとなるためRには
電流は流れないという意味です、これはR単独という
だけでなくコンデンサーやコイルのリアクタンスでも
成立します。
たとえばこの交流回路ではその条件が成立してる場合
は比較する事でCやLの値を求める事ができます、この
単純な条件でも知らないと計算にかなり時間がかかり
ます、試験ではそれを知ってる前提で出題してくるの
でそれらしい回路が出たら平衡条件が成立してないか
最初に確認されるべきです。
7.デルタ-スター変換
インピーダンス、リアクタンス、抵抗すべて同じでスター
に変換すると値は1/3になります。逆なら3倍になります!
三相回路計算問題で時々この変換が必要となりますので
この結果だけは丸暗記で必ずお願いします。_電験三種
合格だけが目的ならこの理屈は不要です!
8.最大電力配給の定理
私の違うページの記事ですが様はこの結果だけが試験
には必要なだけです。
9.抵抗率、導電率
電線の抵抗値を決める条件です、試験で出題されて計算
する時に断面積を求める場合は下の公式が便利です。
ρは値が小さいので試験では計算間違いをしない様に
意識してください。
10.分流器、倍率器
Aが分流器、電流計の測定レンジを上げるためにはRは何
Ωか_電圧VはI1RであるからそれをRに流れる電流で割る
Bが倍率器で電圧計の測定レンジを上げるためにはRは何
Ωか_流れる電流Iは同一のためV2÷r、Rは電圧を電流で
割り求める、mは倍率と定義されています。
Raに流せる電流は50mAですからRsは950mAです。電圧
はRaに流れる50mAと内部抵抗Ra=1.9Ωで求める、その
電圧を950mAで割ればRsは0.1Ωです、上の式はどの参
考書にもあるので今回説明はしましたが、分流器、倍
率器計算は基礎的なオームの法則で求められます。
11.共振回路
直列共振状態とはコイルとコンデンサーのリアクタンスが
等しくなり、回路リアクタンスが0Ωになった状態。又電
流はRだけに制限を受けるためE/Rとなる。並列共振状態
も同じくコイルとコンデンサーのリアクタンスが等しく
なった状態ですが、回路リアクタンスは∞です。
電流は抵抗Rに流れるIRのみとなる。_コイルとコンデン
サーのリアクタンスを等しくさせる周波数を共振周波数
と言います。
上のRLC直列回路インピーダンス式からRL直列回路で
リアクタンスを0(力率1)にするなら同じ大きさのリ
アクタンスのコンデンサーを追加すればいい点も
理解度CHCKしておきましょう。_コイルのリアクタ
ンスXLを誘導性リアクタンス、コンデンサーの同じ
それXCは誘導性リアクタンスと正規には言います。
12.記号と倍率の意味
C=0.1μFのコンデンサーで...という問題では0.1のまま
計算には使用できません、又記号の意味もこの程度は
暗記してください。_0.0000001という状態を電卓で計算
していたら途中で計算ミスを発生させるので電気計算を
する場合は必ず指数計算は習得されてください。
たとえばこんな計算、電卓で0を7回も正確に常に押せる
自信ありますか、貴方は電気は理解していて計算もでき
た、最後に値に変換した、ただ貴方の答えは3000で1番
でも正解は2番、こんなミスで不合格は悔やみきれない
電卓は常にキー操作ミスを伴うのです。試験ではそう
いう可能性は極力排除したい、電卓の使用は最小限に
すべきです。
13.交流回路基礎
抵抗Rに交流電圧をかけ流れる電流の波形タイミング
は電圧と同じになります。波の最大値をImとするとそ
の瞬時値式がImsinωt、私達はImを√2で割った実効値
を計算では扱います。(これは電圧についても同じ)
Rだけの負荷なら扱いは簡単ですがコンデンサーやコイル
の場合では電流は電圧とは流れるタイミングが異なりま
す、今はこういう理解で構いません_この場合に流れる
赤の有効分と青の無効分は直角三角形の関係で表す事が
できます。数学で学ばれた三角関数のcos.sinを交流で
扱うと便利な理由がこれです。_R=6Ω、XC=8Ωの回路
で考えるとインピーダンスが10Ωとなる理由はこの通り
力率はcosなので斜辺÷底辺ですから0.6となります。
又10Aから瞬時式を表現すると10√2sin(ωt+θ)
角度θは力率から逆算できるのですが電験では関数電
卓が使用できないためθを出す問題の答えはπ/3が多
くなります。_I=10A、θ=π/3からの瞬時値式は以下
電気工事士試験の計算問題で出題されるのはこの回路
なら力率や電流を求める問題です。電験三種ではその
先のθつまり位相とかを扱う計算をするため複素数計
算という少し面倒な方法が必要です。今は無効分には
jという記号をつける事だけ覚えておいてください。
14.交流回路基礎2
電位Vの様に単に大きさを表す物をスカラー大きさと
方向を表す物をベクトルと言います、電流の流れ方
⇒簡単に言えば抵抗の場合は電圧と同方向、コンデ
ンサーは90度上向き、コイルは90度下向きに流れます。
図Aの様にコンデンサーとコイルの電流を同時に流すと
前述した関係から互いに電流の向きは逆なのでその差
であるa-bが回路電流として流れます、これから力率
改善という言葉が出てきますがこのICとILを同一に
する事を意味します、図Bは三相交流の電圧ですが3
個の電圧は互いに120度向きが異なると今は思ってく
ださい、図Cは2個のベクトルを合成した場合ですが
90度上又は90度下向きの成分にはjという記号をつけ
て表現します、完全に直角三角形ですから合成電流
Iの大きさははピタゴラスの定理により、あの様な式
となるのです。_向きではなく正確には位相と言うべ
きですが今はそれで構いません。
図AですがIL>ICのため合成電流Iのベクトルは下向き
ですがこの状態を遅れ力率といいます、逆にIL<ICで
はIのベクトルの向きは上向きになりこの状態を進み
力率と言います。_図CでIb=10A.Ia=12Aとした時Ib-Ia
は方向が異なるのでできないのです、Ibが加減できる
相手はIbと同じ上向きか180度反対の下向き成分だけ
です。
RLC直列回路の電圧、電流、位相のベクトル関係ですが
力率1の回路でなければ、抵抗間の電圧であっても電源
電圧と同相ではない点には注意しましょう。
15.交流回路基礎3
jは二乗すると-1になる、次に交流抵抗リアクタンス
を求めるにはLはjωL、Cは-j1/ωcとなる_これらは
丸暗記してください。その上でRLC直列回路のインピ
ーダンスはこの様になります。ωLと1/ωcが等しい
とjのある虚数部は0となりRだけになるから回路電流
は当然I=E/R、力率は1です。_単に電流だけの大きさ
を求めるならあの三角形の関係から式は作れます。
次は並列回路、電験三種問題で難しいのは並列回路が
ある複素数計算です、この回路を力率1にする条件は
L=0にする事、つまり短絡状態にすればCには電流が
流れないので上と同じRだけの回路になります。中
には共振状態を想像された方もいるでしょうが並列
共振ではそのLC並列部分は無限大(∞)となります。
Aで虚数部分の式を少し変形してからωLを1/ωcに
すると分母が0となるので∞、虚数部がそれという
事はインピーダンス全体式もそうでこの回路には
電流は流れません。_この様に交流回路の現象を検
証するのに複素数計算という手法は欠かせません。
過渡現象については後日説明致します。
★⇒電験三種基礎最新記事へ
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