電験三種基礎 位相の異なる電源間計算

H30年度にこれの類似問題が出ました。交流が直流の様に単純
な加減ができないのは、位相が絡むためはご存じと思います。
この問題は相電圧の大きさがすべて200Vなのでいつもの三相交
流と思い2番の200√3(V)で楽勝と思えそうですが違うの
です。なぜなら位相がいつもの三相交流の様に120°(2/3π)
ずつ変化していません。実際この問題の各線間電圧を求める
と5番が答えとなります。それを計算で証明します。
まずは基本公式A∠θ=A(cos+jsinθ)、A∠-θ=A(cos-jsinθ)
それとVcaとはEcーEaの事で、各電源電圧を複素数で表現し
て差を求めてみました。それが今回の答えです。
電源回路1

最初にVcaを求めます、π/3を60°と変換してるのは私はそ
の方が計算し易いが理由で深い意味はありません。cosとsin
の60°値は三角形の辺比率からわかる、電流を求める複素数
計算と同じ要領、最後に大きさを求めます。まずA∠0=A
最終的に200Vが正解です。
電源回路2

次は少し面倒に思えますが落ち着いて計算すれば大丈夫。
ただここで120(2π/3)のsin.cosが関数電卓使えないの
にと思われたかもしれません。それは後で説明しますが
今度の線間電圧は400Vにもなります。
電源回路3

私は90°より大きい三角形はこう理解しています。まず
120°の三角関数値は大きさは60°と等しい、ただ符号
が異なる可能性がある、sinは下の様に120°では+値
cosはー値を取ります。
電源回路7

いつもの平衡三相交流の相電圧×√3=線間電圧はこうです。
電源回路5

このタイプの問題は20年前まで見ると時々出題されていて
H30年急に出題されました、今後も注意です。ではこれに
チャレンジされてみてください。こういう問題は目で見
て理解しただけでは通用しない、まず貴方が自力で計算
してみない事には!


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