PART4に続き今回は項目51~60の電験三種理論基礎説明
です。実際の電験三種問題も使い可能な限り途中式は
省略していません。これから電験三種の方がいきなり
ここからは無理です。サイドバーからPART1より始め
てくださいね。
51.平衡してないブリッジ回路で電流を求める場合
H17年の問題ですが平衡してないブリッジ回路の抵抗を求める
必要があるケースです。最近はブリッジ回路と言えば平衡し
るという感覚でしたがいつこういう問題が出てもおかしくは
ありません。_右側の回路、実は平衡条件が成立しません!
最初の問はよく回路を見たら20Ωは並列だから半分の10Ω
となり、こう回路を変えたら電流は簡単に求められます。
平衡してないブリッジ回路の抵抗を求めるには抵抗のデルタ
からスターに変換する公式を暗記する必要があります。
覚え方ですがデルタ回路の抵抗をすべて加算し分母、raな
らばデルタのRaとRbとなんとなく挟む関係になってるので
暗記はそう難しくはありません。とにかくこれを知らない
と次の問が解けません!
デルタの閉じた部分が開けば最後は普通の回路の電流を
求めるだけの問題になります。
この問題の解答選択肢は4Aから0.2A間隔程度で5個あり
面倒だから強引な四捨五入をしたり、何かの電卓キー
ミスで問題は解けていたのに正解できない可能性あり。
計算で四捨五入していいのは原則最後の答えを出す時
だけです。_Rが9.6Ωだから10Ωにして計算したら4A
となり1番を選択、残念ながら失点です。4.17Aです
から2番が正解です。
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52.電源がもし直流なら常に消費電力は同じ!
SWがOFFの時はRL回路でその消費電力P1、SWをONにすれば
コイル無視Rのみ回路から消費電力P2を求めました。電源
が直流ではなく交流ですから、コイルの有無で電流が違う
そのため消費電力も同じではありません。
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53.電流を違う方法で求めてみる
R2に流れる電流をオームの法則とテブナンの定理で解いて同じ
になる事を証明してください。
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54.3/2乗が電験三種で出題されるのは珍しい
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55.空気コンデンサーに誘電体を挿入する問題
この類は毎回最初に出題されるので心の準備はしておきましょう。
でも冷静に考えたら難しい事はいつも要求して来ません。これも
誘電体を挿入間の静電容量がC1で挿入後がC2、C2は3個のコンデン
サーの直列接続です。C=εA/dは忘れてはいけません!
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NO56.蓄積されてるエネルギーの差を調べる
SWがOFFの状態でC1のエネルギーW1を求めます、SWがONとなり
C1+C2の合成静電容量C、電荷には変化がないためその時のエネ
ルギーW2を求めその差が抵抗Rで消費されたエネルギーです。
Cの値が0.00Xなんて書き方をしてるので計算する時は指数に
してスムーズな計算を行ってください。_1よりかなり小さな
数をそのままの状態で、途中計算にて扱うと間違える可能性
が高くなります。
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57.最近ずっと複素数ブリッジ回路の問題が出ていません
いつ出題されてもおかしくはありません!_このレベルで習得
してれば、どんなブリッジ回路の問題が出ても完璧でしょう。
小さな字がつぶれていますがCxは上段の右側のCです。
ブリッジ回路で値を求める場合は2セットの複素数式を
比較して求める、右式最上部式の左辺が急にマイナスに
なってるのは、その前の形にあった分母jを消すのに分母
と分子にjを掛けたからです。こういうのは目で見て習得
できる物ではなく、貴方もこの問題に挑戦するしかあり
ません。私も何回か途中で間違えました。
上の計算でここを間違える方が多いと思います。分子
が複数になってるマイナスは分子にある文字、数字の
すべての±を反転させないといけません。_このミス
は慣れた人でも気を緩めると日常的に発生します。
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58.複数電源の計算は難しくない
電気計算基礎ページをここまで勉強してくださった方
には今更ですがこの類はこれで終わりにします。
瞬時式v=√2Esin(ωt+θ)においてEが実効値、E1とE2の
それを算出して合成公式で機械的に計算すれば実効値V
更に√2Vが合成電圧の最大値Vmaxです。又E1、E2、Vの
大きさの比率は1:√3:2ですからこれは60度の三角形で
すからπ/3(rad)が位相差です。_頻繁に書いてますが
電験三種では必ず30.45.60度の三角形の3辺の比率は
暗記しておいてくださいね。
私の講義を受講されてる方はベクトルを使わないで
複素数で位相差を出す事もできる様にしておいてく
ださい。これでこの類の問題は完璧です。
E∠θ=Ecosθ+jEsinθで大きさと角度で変換可能。
直流と異なり位相差のある交流電圧同士は単純に加減
できない点が確かに電気の難しさではありますがそれ
を理解するために私達は今日まで勉強してきたのです。
三相交流でスター結線の相電圧間つまり線間電圧がな
ぜ相電圧の√3倍になるのか?も上の様に複素数で計
算すれば納得できるでしょう。
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59.基本三相も単相も難易度に差はありません
ただデルタなら相電流の√3倍が線電流、スターなら
相電圧の√3倍が線間電圧になる大原則だけは注意
して試験に挑んでください。
スター接続のため電圧200Vをルート3で割る事を忘れない事
後は並列の単相交流回路の電流を求めます。IR.IL.ICを加算
して大きさに変換した物が回路電流です。
有効電力ですからRの消費電力の事、三相なので3倍!
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60.少し難しい回路問題です。
1.100Ωとr+jxの並列回路、電源電圧はV、並列回路に流れる
電流は各等しい、回路力率は0.8の条件でリアクタンスXを求
める問題です。_一瞬この条件で解けるのか電験三種の範囲
かと思いたくなるけどこれは過去電験三種問題です。
各電流値が等しいというのが解法のきっかけとなります。
1.2の様にrとXの関係式を作成、全体回路電流I1+I2を作成
cosφが0.8ですからtanφは6/8、更にI1+I2の式の虚数部
を実数部で割ると6/8になるのです。ここで最初に求めた
2の条件を利用すると未知数はXのみの式が完成できます。
それを数学的に解いていけばX=96Ωの答えが求められます。
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