電検三種基礎 複素数計算入門レクチャー

抵抗10Ω.コイル10Ω.コンデンサ5Ωの電気素子があった場合、抵抗はそ
のまま、コイルはj10、コンデンサーは-j5とjの記号をつけます。総合抵
抗(インピーダンス)は10+j10-j5=10+j5です。_性質の違う物がjという記
号をつけて計算する事で回路計算できる様になります。
力率1にするとは
jの差し式で0にする事です。後コイルはL(ヘンリー).コンデンサではC
(ファラッド)という値で与えられる時もあります。電気抵抗量に変換す
るにはコイルは2×π×周波数×L、コンデンサは1/(2×π×周波数×C)にする
とΩという単位の電気抵抗量に換算できます。LをインダクタンスCを
静電容量、XLやXCはリアクタンスでΩに変換した後のコイルやコンデ
ンサーの値、Zはインピーダンスでそれらすべてを総括した物です。

電気工事士試験ではなかったjとは電験三種では大きさだけでなく位相
も同時に計算処理するためです。_この時に文字式を使い回路を解いて
いきます。

不合格になる方の多くが意外とこの基礎的な関係を理解できてないケース
が多いので説明しておきます。インピーダンス、抵抗、リアクタンスは三
角形で関係を表す事ができます
、30と60度の三角計の三辺の比率は必ず
暗記の事_(撮る時に紙が変形して三角計が少し傾いていますが60度の三
角計です)_よく言われる力率は図のcos値を言います、どうして電気で
は三角関数を使うか根本理由です。逆にcosがわってるなら逆算して三
角計の角度がわかり辺の比率から、sinやtan値もわかります。特にtan
を扱うと問題解決が容易になるケースがあるので頭の隅にでも残して
おいてください。_例:力率0.5でXが10Ωの負荷のR値を求める場合と
かZを求めなくても暗算でRが即出せます。

計算問題で力率が0.5とあればいいけど、電圧と電流の位相差が60度
で与えられたら上の三角形を考えるとその回路の力率は0.5です。
位相差60度とは三角計の角度を言ってるのです、関数電卓が試験で
は使用できないので答えとして実数字を出す問題では30度と60度以
外はまず出ないと思います。出題で多いのが60度の三角計。_又電流
は電圧に対して力率分変化する、皮相電力S、有効電力P、無効電力Q
も負荷のこうした影響とまったく同じ変化をするのです。だからPが
わかるなら力率cosからSやQもわかります。逆にQがわかればSやPも
わかります。_上の三角計ではZ⇒S.R⇒P.X⇒Qで置き換えて、単位S
(VA).P(W).Q(Var)です_電気工事士の試験では丸暗記されたかもしれ
ませんが、使いこなす電験三種ではその意味を理解しておかないと
問題が解けません。


上の三角計の意味を理解したならぜひこのタイミングで理解してく
ださい、電流、インピーダンスでも複素数の大きさがなぜ二乗の和
の平方根で表せるのか今ならわかるでしょう?たとえば三相交流回
路の線電流の複素数式の大きさを説明するとこうです、電流計で測
定した場合にはこの大きさが指示されるのです。

上のRL回路からなる三相交流回路の力率改善するために接続する
コンデンサーの静電容量Cの根拠は?_上では説明を優先しました
が実際流れる電流の虚数部はコイルのため遅れ電流です。ここに
正反対の向きのコンデンサーの電流を流す事で虚数部を0にします。
こういう見方は高頻度出題問題である共振回路でも必要です。

複素数計算3


⇒電験三種基礎最新記事へ

0 件のコメント:

コメントを投稿